Capstone in 2015

Class of 2016の匿名希望Aです。IESEにはCapstoneというコンサルティングプロジェクトがあります。他校ではハンズオンプロジェクトや体験型プロジェクトと呼ばれているもので、クライアント企業の抱える問題に解決策を提案するプロジェクトです。実施要綱は年度により異なるようですが、スタートアップや地元の中小企業から誰もが知っているような大企業がクライアントとなり、短期集中で問題解決に取り組む非常に中身の濃いプロジェクトです。


今年は3rd Termに、2回程通常の授業枠で、また中間テスト後の丸2日間+企業宛プレゼン半日のスケジュールで実施されました。我々学生は守秘義務を負うため具体的な名称は述べませんが、バルセロナに拠点を置く世界的なサッカークラブや、日本でも話題の宿泊施設シェアサービス会社等の9社がクライアント企業でした。これに対し各セクション(全4セクション)の中から各1チームが選ばれコンサルティング実施しました(過去クライアント企業を学生が選ぶ(Bid)ことができた時もあったようですが、今年は事前に割り振られていました)。

 

私達のチームはバルセロナ近郊に拠点を置く肉製品(生ハム(ハモンセラーノ)等)を製造する中小企業でした。スーパーに行けば必ず当社の商品が置かれているといっても過言ではない程の地元有名企業です。彼らの抱える課題とは、(1)先般リリースした新商品カテゴリー(meat snack)の売上高をスペインで伸ばすにはどうしたらいいか、 (2)当社は日本に既に販路を持っているがこの商品群を日本で売り出すにはどうしたら良いか、というもので、(1)and/or(2)に答えることを求められました。当社社長の子息がIESEアラムナイであり、従業員にも複数IESEアラムナイがいたため非常にスムーズにコミュニケーションがとれました(同時にIESEネットワークの強さを実感しました)。また、工場見学の機会も与えられ、まさしく体験型のプロジェクトであったと思います。

 

さて、私達のチームは最初に当該商品を試食した際に、日本人の私が渋い顔をしたこと、また他のスペイン出身を除くチームメイトも微妙な顔をしたことから、(1)のスペイン国内のみに絞ってプロジェクトを進めようという流れになりました。私自身も「この商品は日本では売れないだろうな…」と考えていましたが、せっかく日本人の私がいることだし、日本に詳しくないクライアントの期待に応えようとチームメイトを説得し、両面の提案を準備することになりました。今回は他のプロジェクトとの兼ね合いからチームを2つに分け、4人がこのプロジェクトを担当しました(バックグラウンドはイスラエル人男性/弁護士・スペイン人女性/コンサル・アメリカ人女性/出版・日本人男性/金融(私)です)。それぞれが調べてきたことや、他のクラスメートにアンケートした結果を持ち寄り、議論を行い、提案資料を作るのは楽しく、当社の商品も食品ということで非常に親近感を覚えながらプロジェクトを進めることができました。

 

途中、大きな対立も無く進みましたが、最後のクライアント宛プレゼンでは我々の提案は他チームに勝ることはできませんでした。敗因の一つとして、「授業の一環」と考えるチームメイトと「生のコンサルティング」と考えるチームメイトの考え方が最後まで一致しなかったことが挙げられると思います。例えば授業での学びに従い、まずは市場分析から入るべきだと主張する人がおり、一方当社は既に日本に進出しているためざっくりとした市場分析をしても意味がないと主張する人もいました。また大多数のチームメイトにとって日本は未知の国で、どうしてもアイデアベースでの発想になってしまいがちでした。例えば、「新幹線でみんな酒を飲むって本当か?」というどこからか仕入れたアイデアから、新幹線で車内販売すればいい、という提案が出て来たりしました。履行可能性を考えると無意味な提案だ、と私が主張しても、時間の問題もあり方向転換は非常に困難でした。(これは私のファシリテーションの未熟さが主因であり、自分の弱点を再認識するきっかけになりました)。私とスペイン人女性以外のチームメイトにとっては、外国の商品を外国で販売する、ということで非常に難しかったと思います。最終的なアウトプットには不完全燃焼な部分もありましたが、外国人学生の課題解決への取組み方を間近で見られてとてもいい経験になりました(例えば、まずは公式(フレームワーク)に当てはめる、前学期のマーケティングの教授に相談する等既知のリソースを最大限に活用する等)。このプロジェクトはとても充実していて、IESEに来て1st Tierに入るものでした。

 

ただ、今年は中間テストの直後かつMBATという欧州ビジネススクールの運動会の直後だったので、課外での活動時間が非常に制約され、またモチベーションが上がり切らないチームメイトもいました。これが唯一残念だった点でしょうか。