未来を具体的に想像しかたち創る:イノベーションコンサルティングでの夏期インターン

初めまして。Class of 2017 Tです。

 

 

イノベーションコンサルティングファームでの夏期インターンの経験についてご紹介しつつ、IESE MBAが、いかに自分の枠を超え、新しいことに挑戦し、学びを生かした実践の機会に溢れているかを、すこしでも感じて頂ければ幸いです。

 

まず簡単に自己紹介をしますと、新卒で投資銀行でのリスクマネジメント・コンプライアンス業務を5年、その後ジュエリー輸入及びリテールビジネスの起業と拡大を経てMBA2年目の現在に至 ります。私費、既婚、31歳です。

宜しくお願い致します。

 

IESE MBA  (そして恐らく多くのMBA)transformativeとよく言われるのにはやはり理由があります。私も、非常にdemanding IESE1年目のカリキュラムをなんとかこなしつつ、クラブ、インターン先探し、そして旅行など重要な活動を盛り込むうちに、自分と向き合った上で優先順位をつける訓練が積まれ、居心地のいい自陣から飛び出し新たな領域で失敗を重ねられるようになりました。

 

時代の変化するスピードが速まる中、ビジネスリーダーとして、クリエイティビティやイノベーションをどう培うかのヒントを得るため、IDEOFrogなどに代表されるイノベーションコンサルティングの会社を卒業後のターゲットとし、夏期インターンは、2か月間、バルセロナベースのClaro Partners という会社で行いました。

 

留学前、NPOでの活動の一環で、「デザイン思考」というツールを日本のソーシャルアントレプレナーやコミュニティリーダーに伝授しつつ、シリコンバレーのネットワークとつなぐことで、グローバルな活躍へのカタパルト(基盤)となる、というプロジェクトに関わっていたのものの、イノベーションコンサルティングは全く未知の世界でした。

 

Claro Partnersは設立6年目、3人のパートナーと15名程のコンサルタント(出身国は10カ国以上と多様)で構成されています。それぞれビジネス、デザイン、ソーシャルサイエンス(文化人類学など)を主軸としたマルチなバックグランドをもつ人材で、3〜4人のチームを組んでプロジェクトを進めます。Human Centered Design (デザイン思考)をツールとして使いこなし、フィールドワークやエンドユーザーから直接汲み取ったインサイトを素材に、Fortune500レベルの大企業の中期イノベーション/新規事業戦略の策定・実行を導きます。 あらゆる業界に大きな影響を及ぼす荒波、例えばIoTAI、をどう乗りこなすか、そしてどのような好機を見出すかの船頭役というイメージです。

 

例として、半導体メーカーのコンシューマ向けウェアラブル製品戦略を策定するプロジェクトでは、ハードとしてのウェアラブルの機能や魅力を越え、いかにデータをエンドユーザーにとって価値あるものにするか、UX(ユーザーエクスペリエンス)を重視したエキサイティングな体験をどう作るかを提案し、結果、有名時計メーカーやスポーツアイウェアブランドと顧客メーカーとの提携が実現しました。

 

私は、大手マイクロチップメーカーのindustrial IoT (IIoT)戦略のプロジェクトなど複数のプロジェクトを手伝いつつ、「長く複雑なコンサルティングのセールスプロセスの中で、潜在顧客との接点を作りプロジェクトにつなげていく仕組み」をデザインすることをメインのお題として与えられておりました。ただ、ここではプロジェクトの詳細には入りすぎず、インターン全体の感想を紹介したいと思います。

カルチャーという土壌:

MBAの戦略論の授業で学ぶ、uniqueactivityの積み重ねがcompetitive advantageになるというのは、ケースなどを通し理解できてはいましたが、体験することでより理解が深まりました。

例えば、毎週金曜日のランチ。普段は掃除をして下さっている方が手料理を振る舞います。オフィスにいる全員で、テーブルを組み合わせ準備し、ランチをしながら全体ミーティング、ゲストを招いてのディスカッション、ナレッジ・スキルシェアのプレゼンなど行います。自然にみんなが雑談をするキッチンエリア、散歩をしながらのミーティング、何でも相談できるメンター制度、そして時にはソクラテス式問答法を用いたディスカッション。。。挙げていくときりがないのですが、フラットさ、お互いへの敬意、よく聞き共感する、枠の外で考えてみる、という基本の上に、これら個々の活動が積み上がることで、会社のカルチャーが形成されクリエイティビティと質の高いアプトプットが実現されていると感じました。

 

とにかく自由な環境:

出勤、退勤の時間は決まっておらず、自分の定位置もないオープンオフィス、横に並んで仕事をしていたパートナーとの何気ない会話が、テーブルにいた4人でのbrain-swarming セッションになることも。プロジェクトのマイルストーンはもちろんあるものの、そこまでの道のりは自分と、そしてコラボレートするチームメート次第です。曖昧な状況から始まり、自分の11秒を何に使うのか、失敗を重ねながら学び、徐々に方向性を見出し霧を晴らしていくプロセスは、発見に満ちていました。各自の役職、役割、やるべきタスクが明確であり、いい決断をいかに速く下しコミュニケートするか、という投資銀行のリスクマネジメントの世界とは大きく違う環境に最初は戸惑い、マインドセットの転換に苦労もしましたが、自分の強み、弱みを浮き彫りにし、自分の中での新たなモードをかたち造るいい経験となりました。

 

 

常にアウトプット志向:

チームは未知で曖昧な課題・状況をどう捉え解釈するか、日々格闘しています。

最初はデスクリサーチをして情報を収集することで理解を深めますが、仮説を立て、実際に話し観察し、得られた素材を元にダイナミックに方向修正をしていくことが肝要です。そして学びや理解を何らかの形でアウトプットしフィードバックを得る、というサイクルを回し続けることで昇華されたインサイトへとつながります。

 

その際、過去に起こった出来事の点と点とつなぐにとどまらず、起こりうる突飛な未来のシナリオも頭の片隅に置くことは、非常に面白いと同時に、新しい観点をもつためのキーでもあると感じました。例えば、現在デジタルの世界と物理界の架け橋となっているスマートフォンというインターフェースは、2030年には一体どう変化しているでしょうか。デバイスという認識すらない、自然に溶け込んでいるインターフェース、人間とコンピュータの融合など、現在話題のウェアラブル、AR/VRの延長線上にも様々なシナリオがあり得ます。

 

完璧なものを最初から生み出そうとするのではなく、小さなステップをとる度にアウトプットをし、チームの多様な視点からのフィードバックを取り入れる、ここにもユニークなバリューを生み出す要素が隠されている気がします。

 

まとめ

IESEは、キャリアサービスがもつ有名グローバル企業とのパイプももちろんのこと、卒業生のネットワークを駆使すれば、スタートアップやニッチな分野でもインターン先、就職先を見つけることが可能です。Claro PartnersはファウンダーがIESE卒、2年前の卒業生もコンサルタントとして在籍していることもあり、面接プロセス前のインフォーマルなチャットから色々と内情を知り、毎年1人のMBAインターン枠に運良くすべりこむことができました。

 

IESE、そしてMBAは、様々な新しい扉の前まで連れて行ってくれます。

どんな扉をノックしてみるかは自分次第。扉の向こうの世界がどうなっているか、そして自分がどう感じるかは行って見ないと分かりません。あらゆる機会に溢れ、失敗が許されるという絶好の2年間、残り半年を切りましたが、ここバルセロナ、そしてIESEのコミュニティで過ごせることに大変わくわくしております。

 

 

皆様が留学、そしてその後のキャリアや人生を考えるにあたり、私の体験がすこしでもご参考になれば幸甚です。